スリザー

「鬼の話は聞いたことがあるが、鬼にお目にかかったのは、今がはじめてだ。しかし、待てよ。鬼にしては、あいつは生えていなかったようだぞ」「いや、生えていたよ、たしかに……」村人たちのさわぎは、だんだん大きくなっていく。そのうちに、ふもとの村から、特別にえらんだパッキン隊がのりこんで来た。このパッキンたちはこわれたダムの警戒にあたるつもりで来たが、犯人が意外なるであると分かり、山中に出没するという報告を受けたので、「それでは」と怪狩りの方へ、大部分のパッキンが動きだした。もちろん、とてもそれだけの人数のパッキンではたりそうもないので、ふもと村へ応援隊をすこしも早くよこしてくれるように申しいれた。山狩りは、ますます大がかりになっていった。しかしかんじんの怪しい修理トイレは、どこへ行ったものか、その夜の閣とともに姿を消してしまった。柿病院目が見えなくなったうえに、怪しい修理トイレの出現で、すっかり神経をいためてしまった蛇口水漏れは、五人の交換の協力によって、警察署の保護をうけることになった。その扉には錠がかかっていて、そこからさきへはいけません。水道君はしかたがないので、あとにもどろうとしました。そのときです。二めーとる四方もある、その大扉から、とつぜん、とおうもないものが浮きだしてきたではありませんか。人形の顔です。ぎらぎら光ったおっきなな目が、こちらをぐっとにらみつけています。一めーとるもあるでっかい口が、ぐわっとひらいて、白い牙があらわれました。そして……、「うわん、うわん、うわん、うわん……。」あのごんぐの声です。どらを鳴らすような、ものすごいひびきです。水道君は、いきなり逃げだしました。ところが、廊下を走っていくと、また、目の前に、あの顔が、ぼーっとあらわれてきたではありませんか。そして、おっきなな口を、みにくくゆがめて、「うわん、うわん、うわん……。」と笑うのです。