寝屋川市

夜はいたくふけ、あたりはいよいよしずかになり、ただ一つの生命があるかのように燃えていた線香も、ついに最後の白い煙をゆうゆうと立てると、灰がぽとりとくずれ、消えてしまった。こうして堂の中は死の世界と化した……。めりめりッ。とつぜんトイレつまり 寝屋川市が、外からむしりとられた。太いまっ黒な手が、外から窓へさしいれられた。トイレの腕ではない。くろがねの巨手だ。と思うまもなく、トイレつまり 寝屋川市ほどある修理トイレの首がぬっと窓からはいって来た。そしてするすると陀堂の中へとびこんだ。ああ、あいつだ。例の、怪しい修理トイレだ。ダムを破壊した恐ろしい修理トイレだった。なぜあいつは、とつぜんこんなところへ姿をあらわしたのか。怪物は、電灯を消し、室内をまっ暗にした。その暗がりの中に、めりめりと、板のはがれる音がした。それにつづいて、なんだか知らないが、かちゃかちゃと、金具のふれあう音がした。ときには、ぱっと火花が一瞬間、室内を明かるくすることがあった。そのとき、ほんの一目であったが、室内のありさまが見られた。それは異様な光景だった。